世界がどう変わろうとも、
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「かあさま、にいさまはどこ?」 そう聞いた時、母はなんて言ったっけ。 母の顔すらもう覚えていない。端正な顔立ちだったとは思う。それはあの人の、最後まで守るであろう牙城だから。 あの人に関して覚えているのは、あの傷一つない白い指先、兄への賛嘆の声、それともうひとつ。 「お前には無理ね」 あのときはなんて感じたっけ、何にも感じなかったっけ。 今になって疼いてるだけなのか。 「にいさま、」 名を呼んで応えてくれるのは兄だけだった。 「どうしたんだい、アギ。怖い夢でも見た?」 兄は、兄だけは眠るまでそばにいてくれた。 「…俺はあんたを許さない」 誰に向かって言ったっけ、母だったか、兄だったか。父の存在はあやふや過ぎる。 生まれつきエンドブレイカーの能力を示さない俺には何の興味もなかったようだ。 生まれなければよかったのに。 これは誰のセリフだっけ。 俺かな。かあさまかな。にいさまかな。 PR ● コメントフォーム |
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